小児の蘇生
このトピックスのガイドラインは、あなたの地域がアメリカ心臓学会(AHA)または、ヨーロッパ蘇生学会(ERC)のどちらに該当するかで異なります。どちらのガイドラインで学びたいかを選択してください。
このセクションは、アメリカ心臓学会のガイドラインに基づいています。
Publication Name — Circulation.2020;142:S469-S523
2020 American Heart Association Guidelines for CPR & ECC – Part 4: Pediatric Basic and Advanced Life Support
Specifically: Page S478, Figure 4. Pediatric BLS for lay rescuers.
Reprinted with permission, Circulation.2020;142:S366-S468, ©2020 American Heart Association, Inc.
https://cpr.heart.org/en/resuscitation-science/cpr-and-ecc-guidelines/algorithms#adult
小児の心停止におけるガイドラインは、成人のものと同じです。成人と小児を分ける絶対的な年齢はありません。小児がとても幼い場合、胸骨圧迫は両手でなく片手で行います。一般的に成人の心停止は心臓発作など心臓に関する問題から発生します。しかしながら、小児の心停止は、溺水や窒息など、呼吸の問題により多く発生します。従って、小児の一次救命処置においては、人工呼吸の重要度がより高くなります。
8歳以上の小児には、一般的に標準の成人用AEDパッドを緊急用の成人と同じエネルギー量で使用して構いません。
小児の心停止のガイドライン
- 成人用と同じガイドラインに従う。
- 救助者が一人の場合、助けを呼びに行く前にCPRを2分間実行すること。
- 胸骨圧迫の深さは、胸の厚みの少なくとも1/3とする。片手もしくは両手の手技のどちらかを使用して適切な深さとなるように心マッサージを行う。
このセクションは、ヨーロッパ蘇生学会のガイドラインに基づいています。
成人の一次救命処置の教育は受けたが小児の教育は受けていないという人は、小児の心停止に対して、成人用の手技を用いても構いません。成人と小児との区別をつける絶対的な年齢はありません。
成人用と小児用の両方の教育を受けた人については、小児の体の大きさに合わせてどちらのガイドラインに準じるかを判断してください。一般的に、成人の心停止は、心臓発作など心臓に関する問題から発生します。しかしながら、小児における心停止は、溺水や窒息など、呼吸の問題により多く発生します。従って、小児の一次救命処置においては、人工呼吸の重要度がより高くなります。
8歳以上の小児には、一般的に標準の成人用AEDパッドを緊急用の成人と同じエネルギー量で使用して構いません。
小児の心停止のガイドライン
- 生きている兆候を評価し心マッサージを開始する前に、まず5回人工呼吸を行う。
- 救助者が一人の場合、助けを呼びに行く前にCPRを1分間実行すること。
- 胸骨圧迫の深さは、胸の厚みの少なくとも1/3とする。片手または両手の手技のどちらか使用して適切な深さとなるように心マッサージを行う。
- 胸骨圧迫と人工呼吸の比率は、小児においては人工呼吸の方がより重要度が高いため、15:2とする。