はじめに

一般的に、ラグビーのようなスポーツでのピッチサイドのレスポンダー(手伝ってくれる人)は、日常的に臨床レベルでの病気やけがの対応を行っているわけではありません。ピッチサイドケアの質、効果的なチームワークとコミュニケーションは、心肺蘇生における「救命の鎖」に示されるように、応急処置の結果を左右する重要な要素です。

スポーツ医療従事者は、競技への復帰、リハビリのプロトコル、または遠征中の栄養管理、時差ボケ、病気など、さまざまなリスク評価を日々行っています。同様に、緊急事態が発生した際に、効果的な救急処置やチームワークでの活動の妨げとなるような出来事を少なくするように、あらかじめリスク評価をしておくべきです。

緊急時のスポーツ環境、コミュニケーション、技術維持、チームワークを考慮してリスク評価を行い、「緊急時の行動計画」を構築することは、スポーツの救急処置ための準備では基本的な取り組みです。

そのような行動計画では、練習と試合の両方の会場での可能性を考慮し、特定のシナリオに対応した標準的な手順、器具の最低基準、器具管理と技術維持の責任が計画に含まれるようにします(「医療器具」の章を参照)。