第1章― 一般原則
序論
傷害(ケガ)に直面した場合の多くは、何をするかよりも、何をしてはいけないか、すなわち、「それ以上傷つけないこと」が大事です。頭と首を保護するといったシンプルな対応、気道確保や負傷した手や足を支えておくといったことが、傷害(ケガ)のマネジメントの第一歩として重要です。
少し時間をかけるだけで、たくさんのことを改善することが可能であり、一般的に、プレーヤーが目に見えて改善するまで、またはもっと経験豊富な人が助けに来るまでの間、状況のコントロールやパニックを防ぐことが必要とされます。
もちろん、状況によっては、例えば心拍停止の状態など、ただプレーヤーをサポートしながら待つという考え方が間違っている場合もあります。このような状況を当コースのトピックスとして取扱います。ラグビーで良く起きる腫れや打撲に対するアドバイスも含みますが、このコースはラグビーにおいて、重傷あるいは体調が悪いプレーヤーの対処をするといった、稀な立場にあなたが立った場合のスキルを提供するためにデザインされています。
スポーツ時応急手当の一般原則:
- 悪化させない
- コントロールする
- 不必要な動きをしない
- シンプルなスキルが命を救う
- より経験のある人の助けが来ることを確認する
- さらに対処が必要な時を見定める