用手正中固定(MILS)
脊髄が回復不能な損傷を受けたのか、あるいは頚椎損傷による一時的なダメージを受けただけなのかを見分けることは不可能です。従って、頭部と頸部はできるだけ動かさないようにしてケガの悪化を避けることが重要です。そのため、全ての不必要な動作を避けMILSで頭部と頸部を保護します。
MILSとは、脊椎外傷において頭部と頚部を保護する方法として広く知られているアプローチです。「trauma handshake」としても知られています。プレーヤーに対して頭部を動かさないように認識させるのと同時に、周囲の人々に対して頚部に対する注意を促し、また思いがけない接触を避けるなどの保護の役割も果たします。
MILSの目的
- 脊椎損傷を来したプレーヤーの頭部を固定する
- 慌ただしい救助中、頚部と頸部への思いがけない接触を回避する
- 周囲に対する頚部の問題であることの警鐘を鳴らす
ひとたびMILSが開始されたら、動かしてはいけません。
しかしながら、もしあなたが現場において唯一人の、あるいは最も経験のある救助者であり、例えば気道や大出血など、更に差し迫った問題が発生した場合は、より経験の少ない人にMILSを継続させることや、あるいは一時的に完全に解除することも可能です。
用手正中固定(MILS)
Skill 4
用手正中固定(MILS)
- 頭側にひざまずくか横たわる
- 頭部の両側を手で抑える
- 耳は完全に塞がないようにする
- DR ABC評価を継続する
- プレーヤーに頭部を動かさないように指示する
World Rugby ラグビーにおける応急手当のスキルカードをAdobe PDFフォーマットでダウンロード