頭部損傷により興奮状態に陥った場合

スポーツによる頭部損傷の結果、負傷者が混乱または興奮状態に陥る場合があります。これは、意識消失状態から回復する時の見当識障害が一つの原因であり、また意識消失時の体位によって生じた気道閉塞がひきおこす酸素欠乏が原因となることもあります。多くの場合、約30秒から1分間ほどで興奮がおさまりますが、その間は負傷者が救護者やチームメイトに危害を加える可能性があります。

頭部を損傷したプレーヤーが興奮状態になった場合は、MILSを解除し、安全な距離から話しかけてください。周囲にいる他の人たちが、プレーヤーを抑えようとすると状況を悪化させるだけなので、周囲の人たちを制御し続けてください。負傷者が興奮状態になっている場合は、頚部にさらに負担をかけるだけなのでMILSを続けようとはしないでください。プレーヤーが落ち着いたら、再びMILSを適用し、DR ABC評価を実践してください。