完全気道閉塞の管理
このトピックスのガイドラインは、あなたの地域がアメリカ心臓学会(AHA)、オーストラリア・ニュージーランド蘇生委員会(ANZCOR)、または、ヨーロッパ蘇生学会(ERC)のどちらに該当するかで異なります。どちらのガイドラインで学びたいかを選択してください。
アメリカ心臓学会 成人の窒息
このセクションは、アメリカ心臓学会のガイドラインに基づいています。
腹部突き上げ法
傷病者の後ろに立ち、両手で抱きかかえ、傷病者のみぞおちで自分の握りこぶしをもう一方の手で握ります。両手を傷病者の肋骨下で力強く手前上方に向かって圧迫するように突き上げます。異物が除去されなければ、これを5回繰り返します。異物が除去された時の兆候は、傷病者の苦痛が緩和される、またはより効果的な咳が出始めるなどです。

傷病者の容態が悪化し、呼吸が停止した場合は、床に寝かせてCPRを開始します。多くの場合、心マッサージによって喉の奥にあった異物が除去されることを認識しておいてください。同じ腹部突き上げ法を小児にも適応します。
ヨーロッパ蘇生学会およびオーストラリア・ニュージーランド蘇生委員会のガイドライン
背部叩打法
傷病者の後ろに立ち、傷病者をやや前方に屈曲させます。手掌のつけ根で、肩甲骨の中間あたりを上方へ強く、異物を上方へ押し上げ口から出さすように叩きます。これを5回繰り返し、毎回異物が除去されたかを確認します。
腹部突き上げ法
異物を除去するのに背部叩打法では効果がなかった場合は、傷病者の後ろに立ち、両手で抱きかかえ、傷病者のみぞおちで自分の握りこぶしをもう一方の手で握ります。両手を傷病者の肋骨下に当て、力強く手前上方に向かって圧迫するように突き上げます。異物が除去されなければ、これを5回繰り返します。そして、背部叩打法に戻ります。異物が除去された時の兆候は、傷病者の苦痛が緩和される、またはより効果的な咳が出始めるなどです。
傷病者の容態が悪化し、呼吸が停止した場合は、床に寝かせてCPRを開始します。多くの場合、心マッサージによって喉の奥にあった異物が除去されることを認識しておいてください。 これが幼児に起きた場合は、自分の膝の上に幼児をうつぶせに乗せて背部叩打法を実施することも可能です。
ヨーロッパ蘇生学会 成人の窒息
成人の窒息治療 (オーストラリア・ニュージーランド蘇生委員会提供)
アメリカ心臓協会(AHA)による2023年の窒息対応ガイドライン
- 対象者の背後に立ちます。
- へそのわずか上に握りこぶしを当てます。
- 異物が排出されるか、反応がなくなるまで上方かつ内向きに圧迫を繰り返します。
小児の窒息対応
ヨーロッパ蘇生協議会による小児異物除去指針