5.フィニッシュ(最後までやりきる)
定義) タックルプロセスの最後の段階。
ボールキャリアーを支配的かつコントロールされたかたちで地面に倒し、チームのディフェンス戦略や直面している状況に関してコンタクトの中で次の判断を下すための準備をすること。例えば:
- タックルをし終えたら、すぐにロールアウトする
- タックルをし終えたら、ボールキャリアーの上にしっかりと戻り、ボールを争奪する
- タックルをし終えたら、そのまま抜けて、ボールキャリアーを追い越してスペースを獲得する
タックラーは常に最後まで力強く動き、ボールキャリアーが前への勢いを取り戻してプレーを続ける機会を与えないようにしなければなりません。タックルの中で優位性を保ち、効果的なフィニッシュをすることで、タックラーはボールキャリアーとその後の攻撃プレーを止めるという一番の目的を達成することができます。
以下の重要業績評価指標(KPI)は、フィニッシュスキルを身に付け上達させるために重要な項目を記しています。コーチは、自分のコーチングプログラムの中でフィニッシュスキルを強化する際にこれらのことを考慮する必要があります。
1. 体勢を変えてもう一度グリップする能力
グラウンドに倒れそうになっているタックラーは、地面に倒れるのに備えて手を下ろしたり体勢を変えたりするのに握っていた手を離す必要があると感じるかもしれません。タックラーは、地面に倒れるまでの間、タックル中のテクニックをやめずに、より良いボディポジションを取り続けながら、体勢を変え、もう一度グリップしなければなりません。これにより、できる限り一番良いフィニッシュをすることができ、優位なままタックルコンテストの中で次の判断に備えることができます。
2.密着とグリップをきつくする(隙間がないようにする)
ボールキャリアーが地面に倒れる際にパワーの基盤を失ったと場合、タックラーは、しがみついている腕とグリップをきつく締めて自分の優位性を取り戻す必要があります。正しく行えば、タックラーとボールキャリアーの間にはスペースが空きません。タックラーとボールキャリアーが地面に倒れる場合、互いの体がばらばらに倒れるのではなく、ひとつの塊のようになっていなければなりません。
3.地面に倒れても優位に立つ
タックルは、ボールキャリアーが地面に倒れるまで(または勢いが止まるまで)、終わりではありません。タックラーは、コネクションや接点を制しただけでは不十分であり、ボールキャリアーをとにかく地面に倒し、ボールを奪う絶好のチャンスを自分のチームに与えるか、タックルコンテストの中で攻撃の勢いをスローダウンさせるようにしなければなりません。
4.ボールキャリアーの上でフィニッシュする
タックルを完全にコントロールしたかたちで終わらせるために、タックラーはボールキャリアーの上にいる状態で終えるようにしてください。これは、タックラーがボールキャリアーを支配し、ボールキャリアーの勢いを弱めてボールを奪う機会を増やすのに最適な位置に移動させたことを意味します。これは、ボールキャリアーを後方またはサイドに移動させ、チームメイトからのサポートから遠ざけることを意味する場合もあります。
ロールタックルの場合、タックラーは、しっかりと優位なポジションで終われるよう体を回転させ、タックルコンテストの中でボールキャリアーの下敷きになる可能性を食い止める必要があります。
5. タックラー/反則なしで終わらせる
タックルをし終えたら、タックラーは以下のことをしなければなりません:
- タックラーのリリース: タックラーはボールがプレーできるように、すぐにリリースして動かなければなりません。
- 左右いずれかへの転退:タックラーは、右または左に転退しなければなりません 。そして、 コンテストに入る攻撃側プレーヤーをブロックしてはいけません。
- 押さえ込む/スペースを取りにいく: タックラーは、ボールキャリアーを仰向けで押さえ込んだり、ボールキャリアーのプレーを妨げるように抱え込んだりしてはいけません。また、タックルコンテストにおいて攻撃側に立つこと、すなわち「スペースを取りにいく」こともできません。
- タックラーのリリースとカウンター :タックラーは、ボールキャリアーをリリースしなければなりません。また、タックラーは自陣にいて、ボールを取るために立っていなければなりません。