重大な頚部損傷の認識

重症と軽症を見分けることはとても難しいことです。意識消失を来した本人は、頚部痛があるのか衰弱しているのかを伝えることはできないため、他の診断が実証されるまでは、重大な脊椎損傷として接する必要があります。頭部と頸部が更に動かないように、用手正中固定(MILS)を用いて管理する必要があります。

頚部痛を訴え、下肢の感覚も運動も無い場合は、脊髄損傷を来していることは明らかです。しかし、鎖骨から頭側に損傷を来したプレーヤーについては、まず重大な頚部損傷の可能性を考慮し、はっきりしない場合は、脊椎損傷があるとして管理するのが最善のアプローチです。

重大な頸部損傷があるとして対処すべき症例は?

  1. 意識消失症例
  2. 鎖骨より頭側での受傷症例
  3. 頚部痛症例
  4. 上肢、下肢の麻痺や呼吸困難を認める症例
  5. 確定診断が困難な症例