構造的な頭部損傷

脳や血管に損傷を来すような、または頭蓋骨骨折に至るような頭部への強打は、初期段階においては脳振盪と区別がつきにくいものですが、時間が経過するとともにその影響はより大きくなり、障害や死亡にさえ至ります。これら脳の構造に損傷が起きると、出血や腫れが生じます。脳はとても柔らかく、固い器の中に存在するので、頭蓋内で出血や腫れが起きると内部の圧力が上昇し、脳を押し潰してしまいます。以上のことから、全ての頭部損傷は深刻にとらえ、フィールドオブプレーから出されたプレーヤーは、決して一人にさせないでください。

急激な捻転や回旋で生じる力により、繊細な脳組織や血管が損傷する可能性があります。耳の前方で耳の高さより上にあるこめかみ(側頭骨)は、頭蓋骨でも最も薄い部分で、下に大きな血管が走っています。そのため、ここに直接的な衝撃が加わると、頭蓋骨骨折や動脈損傷をもたらし、比較的小さな力でも出血を来す場合があります。