人工呼吸
現在のガイドラインでは、30回の心マッサージの後に、負傷者に対して人工呼吸を2回行うことが記載されています。しかしながら、口と口をあわせるマウスツーマウス式蘇生は、不快である場合や、口のまわりの血液や嘔吐物により救助者にリスクをもたらす場合があり、行うことを嫌がる人もいます。
マウスツーマウス式蘇生中に感染症がうつることは極めて稀ですが、フェースシールドやポケットマスクを用いれば、皮膚と皮膚の接触を行わずに人工呼吸が行えます。何も入手できない場合で、マウスツーマウス式または、口鼻式人工呼吸を実行したくない場合は、心マッサージのみのCPRでも可能でも大丈夫です。
マウスツーマウス式人工呼吸
Skill 10
人工呼吸の実践
- 30回の心マッサージ後、頭部後屈/下顎挙上によって気道を確保する。
- 負傷者の鼻の柔らかい部分をつまむ―負傷者の額にあった人差し指と親指を使う。
- 下顎挙上を継続し、口を開ける。
- 普通に呼吸をして、自分の唇を負傷者の唇の周りに密封するようにあわせる。
- 約1秒かけて、胸部が上がるのが見えるまで、口に息を吹き込む。
- 頭部後屈/下顎挙上を持続させ、自分の口を外して胸部が下がるのを確認する。
- 2回目の人工呼吸を繰り返す。2回の人工呼吸を5秒以内に完了させる。
- 遅延なく、胸部に自分の手を戻し、更に30回心マッサージを行う。その後、再度人工呼吸を繰り返す。
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