骨折

骨折は骨が折れた状態を表す医学用語です。亀裂、破砕、破壊の間に違いはありません。骨折は腫れを伴い極めて痛く、変形を来すことや、プレーヤーが四肢を動かすのを嫌がることや、あまりにも痛くて動かせない場合があります。

時おり、負傷者も救助者も折れた末端が互いにすれることで、ズキズキした非常に痛い感覚に気づくことがあります。体の中の骨はどれも骨折を起こす可能性がありますが、コンタクトスポーツで良く起きる部位は鎖骨、手首、手または足関節です。骨折した骨は、両端が鋭的になるため、血管や他の軟部組織を損傷させることや、皮膚から突き出て、いわゆる「開放」骨折(以前は複雑骨折と呼ばれていました)を引き起こすことがあります。

多くの場合、靭帯の捻挫と骨折を見分けることは、明らかな変形や腫れがひどくないと難しいことから、ここでもまた、DR ABCとPRICE処置の原則が治療の中心となります。

四肢が骨折した場合の痛みには、損傷した四肢を正しく保護することや、「副子固定」を行うことが有効です。しかしながら、特に下肢の骨折において、プレーヤーが損傷した部位を固定しても動かすことにあまりにも苦痛を感じる場合は、その場所で動かさず、より経験のある救援が到着するまで待ちましょう。

副子固定

骨折が起きた場合、折れた骨の両端が動いて互いにすれることや、軟部組織とすれることによってかなりの疼痛と組織の損傷を進行させる場合があります。軟部組織を伸ばしている変形がある場合も、著しい痛みを伴います。

そのため、四肢全体を固定して骨折部位の動きを最小限にすることによって、疼痛を緩和し、更なる損傷が起きることを防ぎます。固定方法としては、単純に救助者の手で徒手的に固定したり、その場に応じて例えば吊り包帯の中に折り畳んだ新聞紙を入れる、または形成可能な金属製スプリントやポリウレタンフォーム製の「ボックス・スプリント」など、専用のスプリントを用いることなどがあります。固定の原則は「副子」により骨折部位の上方の関節と下方の関節を固定することです。

足に骨折が疑われるプレーヤーは、フィールドオブプレーから退出させる