ポジティブな学びの環境をつくる
若年層のプレーヤーのためのポジティブな学びの環境をつくることは重要です。試合中に正しい判断ができるプレーヤーを育てるには、プレーヤーが状況を認識し、解決策を考え、それに応じて対応することができるコーチング環境を整えることが重要です。コーチは、プレーヤーにいろいろなことを挑戦させ、失敗から学ぶよう促すことで、最も高い効果を出すことができるのです。
ここでは、コーチングを行う際に、ポジティブな学びの環境をつくるための簡単なコツをご紹介します:
- セッションには常に目的・目標を持ちましょう
- プレーヤーに質問して、以下のことを理解し認識していることを確認しましょう:
- 今何をやっているのか(技術的な詳細)
- プレーの原理との関連性(戦術の詳細)
- 自分の行動がプレーに与える影響
- プレーヤーのミスを許し、サポートしながら問題の解決を見つけさせるようにしましょう
- 観察し、批評的に分析してみましょう
- 特定の鍵となる要素を対象に、プレーヤー一人ひとりに合わせた質の高いポジティブかつ建設的なフィードバックを行いましょう
- 結果としてミスを修正しつつ、良くできたところを強調してみましょう
- 学習を促すために、自身の質問能力を鍛えてください。プレーヤーに何をすべきか指示を出すのではなく(コーチ中心のコーチングスタイル)、効果的な質問スキルでプレーヤーに自分のパフォーマンスを振り返るよう促しましょう(プレーヤー中心のコーチングスタイル)
- 努力は学習や向上に必要なものであるため、達成(結果を出すこと)だけではなく努力したこと(頑張る過程)に対しても評価しましょう
良いコーチとは:
- (スキルのあるプレーヤーだけでなく)すべてのプレーヤーの能力を最大限に引き出す
- (スキルのあるプレーヤーだけでなく)すべてのプレーヤーを継続的に成長させる
- (プレーヤーたちを試合の状況に置くことで)技術をスキルへと変えていく
- プレーヤーの「ゲームセンス」(試合、そして、自身の行動の結果を理解する能力)を発達させる
- 正しくできているところを見つけて、それを褒める
- 正しくできていないところを見つけ、なにがいけないのかを認識し、それを修正することができる。
各コーチングセッションは、以下の原則に従い、そして、以下のようにする:
- アクティブ
- 誰もが参加でき、楽しめて、競争的な要素があり、プレーヤーのスキルを向上させるような少人数によるスモールサイドゲームやアクティビティを行う
- 全員にスキルの習得を促す(スロースターターでも後に成功する可能性がある)
- アクティビティレベルを高く保つ ― 話す時間を減らし、アクティビティの時間を多く取る
- 目的を持たせる
- 一度に焦点を当てるのは1つか2つのキーファクターのみにする
- 質問をすることにより、学ぶことにプレーヤー自身を参加させる
- すべてのプレーヤーにあらゆるポジションを経験させる ― 今日のプロップが明日はスクラムハーフ、など。ラグビーは、後期専門化(まずは広く学び、後に専門分野を決める)のスポーツです。ですから、プレーヤーをあまり早くからポジションに縛り付けてしまうことは、プレーヤーの成長を制限してしまうことになりかねません!
- セッションでは、さまざまなコーチングスタイルを使用する
- 自身での振り返り、他のコーチや選手とのディスカッションを通じて、セッションを振り返る
- 楽しめる
- 変化に富み、すべての参加者が楽しめるようなセッションを計画する
- コーチングの長期的な効果を考慮する ― 「何が何でも勝つ」という姿勢を避ける
- 成果だけでなく努力も評価する ― 勝利だけでなく、より良い選手になるために努力することが成功につながることをプレーヤーに理解させる
- 対戦相手やマッチオフィシャル、観客に対するリスペクトを促す
- 安全
- すべての活動が安全であるようにする。すべてのコーチは、 https://passport.world.rugbyにあるRugby Readyと脳振盪の管理に関するオンライン学習モジュールを完了し、コーチとして適切な資格を持っていること!
- 安全性が損なわれた場合は、ただちにセッションを中止する
- プレーヤーが競技に必要な身体能力を身につけられるよう、毎回ウォームアップとクールダウンを含めること
- 子どもたちの身長や体重を目安に、身体的な発達に応じたグループ分けをする
- 特にコンタクトの練習を始めたばかりの子どもについては、発達レベルが大きく異なる子ども同士のマッチングを避ける
- 不適切な行為に対処するときは、一貫性を保つ