クールダウンとリカバリー
運動中、体はさまざまなストレスを受けます。筋繊維、腱、靭帯に傷がつき、体内には老廃物が蓄積します。プレーヤーが、活動から十分にリカバリーするためには、効果的なクールダウンが欠かせません。プレーヤーが活動から完全にリカバリーするには、効果的なクールダウンが必要です。 プレーヤーは、自分のクールダウンとウォームアップに責任を持つべきです。プレーヤー同様、マッチオフィシャルにとっても、安全で効果的なクールダウンの方法に従うことが大事です。
クールダウンには、3つの段階があります:
- 軽い運動
- ストレッチ
- 栄養補給
クールダウンの手順
初心者のプレーヤーもいます。コーチは、プレーヤーが行うクールダウンの手順をしっかり用意し、安全かつ効果的なクールダウンを行うようにしてください。
ジョギングやウォーキングといった軽い有酸素運動に、負担の軽い腕振り、肩回し(前後左右)、背中たたきといった上半身のドリルを組み合わせた、ゆるやかなエクササイズを5分間行うと、プレーヤーのクールダウンによいでしょう。
こうした運動が、徐々に、通常の、もしくは、休息時の心拍数に戻してくれます。そして、手足に血流が溜まるのを防ぎ、疲労感を減少させてくれます。
クールダウンでは、体に酸素を送り込んでリカバリーを促すため、深呼吸もしましょう。
ゆるやかな運動の後は、5〜10分のスタティックストレッチを行います。スタティックストレッチは、関節と筋肉を通常のサイズや機能に戻し、リカバリーを促進してくれます。また、クールダウンでスタティックストレッチを行えば、柔軟性を高めることができ、その後の運動や試合におけるケガのリスクを軽減させることができます。
よいリカバリーは、その一環として、しっかりとした水分補給を行います。水は排尿を促すため理想的ではなく、ミルクセーキや牛乳が理想的です。活動後60分以内に食べることによる栄養補給(できれば、高炭水化物および低たんぱく質)もしてください。試合後のリカバリーには、軽い運動(20分間の軽い自転車こぎ/ジョギング、活動翌日のストレッチ)も含めてください。
練習や試合の後、質が良くて途中で起きることのない睡眠を8時間取るようにしてください。
以下は、スタティックストレッチの例です。プレーヤーは、各ストレッチで10〜30秒間、各部位を伸ばし、片側2〜3回ずつ行うこと。大事なストレッチは、ハムストリング、ふくらはぎ、股関節屈筋、大腿四頭筋、および、肩です。
ハムストリングストレッチ
後ろの足を曲げ、前に出した足をまっすぐ伸ばす。背中をまっすぐにしたまま、前に伸ばした足の方へ、体を傾ける。
大腿四頭筋のストレッチ
立ったまま、片手で同じ側の足を持つ。背中はまっすぐ、両膝を同じ高さに保つ。
股関節のストレッチ
膝まずいた状態で、膝をついている側の腕を上げる。腰を、伸びていると感じるまで、ゆっくりと前へ押し出す。
広背筋のストレッチ
膝まずいた状態で、両手を前に出す。伸びていると感じるまで、肩をゆっくりと地面に下げる。
ふくらはぎのストレッチ
短距離競走のスターティングポジションの姿勢になり、両膝を曲げる。伸びていると感じるまで、ゆっくりと前足をまっすぐにし、かかとを地面につける。