法律適用ガイドライン - 2023 年 1 月

2022年11月の「シェイプ・オブ・ザ・ゲーム会議」にて、男子15人制のあらゆるラグビー関係者が、ゲームをスピードアップさせ、不必要な中断を減らし、プレーヤー、マッチオフィシャル、そして、観る人にとって安全な試合のあり方について、協議を行った。

2023年は男子の大きな大会を控えていることから、以下の競技規則適用のガイドラインをエリートレベルの試合を対象に施行することが提案された。これらの重点項目により、ラグビーワールドカップ2023年大会、および、それ以降、安全で、スピーディなラグビーの試合を維持できるようにする。

いくつかの項目ト(キックのタイミング/ショットの際の秒数計測用の時計/ウォーターキャリアー/TMO)はエリートラグビーに特化しているものだが、一般原則としてはすべてのゲームを対象とする。

ゲームのスピードアップ

プレーヤーおよびマッチオフィシャルは、あらゆるレベルのゲームにおいて厳守されるべき以下の既存の競技規則を改めて確認すること:

8.8 d. コンバージョン

8.21 ペナルティゴール

9.7 d 時間の空費。 罰:フリーキック

18.12 ラインアウト: 各チームは、遅延なくラインアウトを形成する。 罰:フリーキック

19.4 スクラム 両チームは、マークが示されてから30秒以内にスクラムを形成する準備をしなければならない。 罰:フリーキック

エリートラグビーにおいては、レフリー、プレーヤー、および、観る人が、ペナルティキックやコンバージョンキックが上記の競技規則に則って行われていることがわかるよう、放送局と試合主催者とでスクリーン上(テレビおよび競技場内)でのショットの際の秒数計測用の時計を導入し、通常はタイムキーパーがそれを運用することを、ワールドラグビーは推奨する。

また、ゲームのスピードアップの観点から、各協会/大会がゴールキックに与えられる時間を短縮する試験実施を適用することも推奨する。試験実施を実施した場合、その成果については2023~27年の競技規則見直しのプロセスの中で検証される。

 

TMOプロトコル

マッチオフィシャルは、TMOプロセスとは明確かつ明白な違反がフィールド上で取り扱われるよう見極め、確認するためのものであることを改めて認識すること。レフリーが率いるマッチオフィシャルチームは、よりスピーディな判断を行い、不必要な映像のリプレイをなるべく減らすようにするべきである。

ウォーターキャリアー

ウォーターキャリアーを2名に限定し、フィールドに立ち入る回数を減らす世界的試験実施ルールは、不要な中断を減らすこと、また、ウォーターキャリアーがプレーヤーやマッチオフィシャルに不必要な影響を及ぼすことの抑止にうまくつながった。しかしながら、給水の時間を設定することは、たとえ自然な流れでの中断の際(トライ/負傷/TMO検証)だとしても、ゲームが遮られる印象も生んでしまった。

ステークホルダーからのフィードバックを集った上で、今後は、世界的試験実施ルールを改定し、トライが得られたときにウォーターキャリアーがフィールドに立ち入れることとする。時間の長さは、キックが行われている時間の長さに合わせる。最初の20分間にトライがなかったゲームに限り、もう一つ別の自然な流れでの中断を活用する。負傷による中断を活用してウォーターキャリアーが入った場合、メディカルスタッフがフィールドを離れる際に同様にフィールドを離れなければならない。

プレーヤーのネガティブアクション

レフリーは、プレーヤーのネガティブアクションに対し断固たる対応が求められる。例えば、プレーヤーをラックに巻き込む、または、ボールをプレーしようとしていない最初のアライビングプレーヤー(ジャッカラー)などに対してである。

プレーヤーは、ペナルティの際にボールを抱えたり歩き去ったりしてはいけない自らの責任を改めて認識すること。このことは、違反をしていない側の攻撃のオプションを少なくし、不必要にゲームをスローダウンさせるため、制裁の対象となる。

 

地面に手を付くプレーヤー

タックル、ラック、および、モールにおいて地面に手を付いたプレーヤーは、明らかに自分のバランスや安定を取るために地面を利用したかどうかではあるが、制裁の対象となる。

競技規則の定義と関連条項

立っていない(Off feet): 体の足以外のいずれかの部分が地面、または、地面の上にいるプレーヤーに支えられている状態のプレーヤーのことをいう。

立っている(On feet): 体の足以外のいずれの部分も、地面、または、地面の上にいるプレーヤーに支えられていない状態のプレーヤーのことをいう。

14.8(タックル) - 他のプレーヤーは、以下のことをしなくてはならない: 14.8a. 立ったまま、ボールとボールキャリアーをただちに放す。 14.8b. ボールをプレーする時は、立ったままでいる。

15.12 (ラック) プレーヤーはラックの間ずっと、立ったままでいようと努めなければならない。

16.9 (モール) モールの中にいるその他のプレーヤーは全員、立ったままでいようと努めなければならない。

 

故意のノックオン

何が故意のノックオンで何がそうでないかという問題は、常に議論となっている。すべての参加者は、以下の既存の競技規則を改めて確認すること:

11.3プレーヤーは、手や腕を使って故意にボールを前にノックしてはならない。 罰:ペナルティ

11.4 プレーヤーがボールをキャッチしようとした際にノックオンした場合、そのプレーヤーがボールを獲得できたはずという合理的な予測があったのであれば、故意のノックオンとはならない。

プレーヤーは、ボールをキャッチしようとしなければいけない。レフリーは、プレーヤーがボールをキャッチして獲得できるとある程度予想できたかどうか、そして、どのような制裁とするか、良い判断をすることが求められる。こういった状況においてイエローカードと判断するべき決まったパターンはない。