ライフスタイル

スポーツは、参加する人にいくつものメリットがあります。これらのメリットは、幅広い分野にわたり、心身の健康、文化的および社会的気づきの広がりを含みます。トレーニングは、自分が身体的、精神的、および、技術的に試合に向けた準備ができるように作成します。健康を維持し、ケガや病気を防ぐためには、プレーヤー。コーチ、そして、帯同するメディカルスタッフも、適切なトレー二ング、食事、ストレス管理および休息を通じて、健康的な体の維持に取り組むべきです。

運動を通じたフィットネス

ラグビーの健康的メリットには様々なものがあり、最も基本的なレベルにおいて、ラグビーは運動をする時間を増やしてくれる方法です。最近のガイドライン(*注)では、成人は、少なくとも1日30分間の軽度の運動を週に5日以上行うことが推奨されています。子どもは、少なくとも1日1時間以上の軽度の運動が推奨されています。また、そのうち少なくとも週に2回は、骨の健康、筋力、柔軟性の向上につながる運動を含んでいることが求められています。

若い人のためのラグビー– あらゆる体型と体格の人に

ラグビーは、あらゆる体型と体格の人に合ったユニークなゲームです。15人制や7人制、コンタクトなしのゲームから海辺、雪の上で行うものなど、様々な形で楽しむこともできます。また、子どもが楽しめる参加レベルもあります。

総合的な視点で考えると、ラグビーにおいても他のスポーツにおいても、健康なライフスタイルの推進に大きな役割を果たしており、競技者は、スポーツのあるライフスタイルを楽しむことができます。


*英国保健省のガイドラインより

 

1. トライラグビー / トライスポーツ

子どもの能力に関係なく、参加を促し、楽しめるようにすることは、健康的なライフスタイルをもたらす最初の大きな一歩として、ポジティブな方法です。

2. ソーシャルスキルの発達

チームスポーツへの参加は特に、仲間に入ることや意思の疎通を促進します。また、自信や自尊心が生まれ、スポーツ特有の仲間意識と友情や、品位、結束、他者との間の尊重などラグビー特有の価値を育てます。

3. メンタルスキルの認識

競技への参加と計画的なトレーニングを通して、ラグビーは、自己管理、集中力、規律、意思決定、リーダーシップといった、主要なメンタルスキルを強化してくれます。これらのスキルは、日々の生活のあらゆる場面に活用できる重要なものです。

4. 食事と栄養

バランスのとれた食事は、どんなレベルにおいても、競技やトレーニングを行うのに必要なエネルギーレベルを維持するために大切なことです。また、毎日の生活でエネルギーレベルを上げていくのに重要な役割を果たし、集中力やパフォーマンスの向上、健康的なライフスタイルの促進にも役立ちます。

 

基本的な衛生管理

基本的な衛生管理は、特にチームが閉ざされた環境で活動をする際、健康でアクティブなライフスタイルを維持する上で不可欠です。以下は、その経験則です:

  • 清潔にする: 例) 少なくとも一日に5回、手を洗う
  • 用具を清潔に保つ: 例) 洋服、ウォーターボトル、マウスピース
  • 切り傷を負ったら、清潔にして傷を覆う



水分補給



通常の体の機能にとって、水は不可欠なものです。エクササイズでは、汗により体から大量の水が失われます。パフォーマンスの劇的な低下を防ぐため、試合中もトレーニング中も、体内の水分を入れ替えることが必要になります。

子どもの場合、スポーツドリンクは糖含量が高く歯科疾患につながる可能性があるため、日常的に摂取させないでください。牛乳やミルクセーキは、水分、タンパク質、炭水化物(ミルクセーキ)を取ることができ、非常に優れたリカバリードリンクです。

自分の水分補給状態を簡単にチェックするには、尿の色を見るとよいでしょう。下記の表を参考にしてください。尿の色は、表の1~3に相当する薄い方がよいとされます。4~8に相当するなら脱水状態であり、水分補給が必要です。

栄養


栄養、および、栄養がどのようにはたらくのか、また、トレーニングや試合ではどのような食べ物を食べるべきか、といったことは、自分の競技とパフォーマンスにとって非常に重要なことです。ラグビー一試合分だけなく、それに必要なトレーニングも乗り越えられる十分な燃料が体に蓄えられるよう、脂肪、炭水化物、タンパク質のバランスを見つけることも大事です。体に多大なトレーニングを経験させても、適切な食べ物も取っていなければ、強く、エネルギーを蓄えた状態にはなれません。

多くの人が、果物にあるフルクトースを含め、炭水化物を摂り過ぎていることが明らかになりつつあります。炭水化物の摂取は、精製炭水化物(高GI)よりも、主にスローリリース(低GI)のものが望ましいです。対照的に、ほとんどの人の食事が、タンパク質(動物性、特に魚と白肉と、植物性のもの)、および、野菜不足です。プレーヤーのほとんどは、タンパク質の補足は不要なはずです。繊維、ビタミン、ミネラルの主な摂取源としては、果物よりも野菜の方が好ましいです。ほとんどの人が、新鮮でバランスの取れた食事によって、十分なビタミンとミネラルを摂ることができるので、サプリメントは必要ありません。

栄養摂取プランの一例は下記ウェブサイトよりダウンロードが可能です:https://passport.world.rugby/injury-prevention-and-risk-management/rugby-ready/downloads/




アルコール

アルコールの消費は、トレーニングとパフォーマンスに次のような影響を与える有害なものです:

  • 筋力の生成を弱める。
  • 筋力とパワーを弱める。
  • 多くの栄養の輸送、活性化、利用、貯蔵に影響を与える。
  • 脱水症を引き起こす。脱水症はアルコールを消費後長い時間持続することがある。脱水症はパフォーマンスに悪影響を与える。
  • たんぱく質、炭水化物の代謝に影響を与える。代謝率と酸素消費量を高める。
  • 傷害、および、トレーニングに伴う微小組織の損傷の回復を阻む。
  • 中枢神経系の機能、コーディネーション、精度に悪影響を与える。

栄養サプリメント – ケーススタディ

アダム・ディーンズ、17歳のラグビープレーヤー。彼は年齢別ラグビーで最も高いレベルまで上がり、イングランドU18代表に選ばれました。「もっと大きく、早く、強く」と言われたプレッシャーから、アダムは、トレーニングと食事を補うサプリメントを使うようになります。

禁止リストを守る義務を知っていたものの、アダムが受けた教育だけでは、サプリメントに禁止物質が含まれているかもしれないというリスクをきちんと認識するには不十分であったため、彼は、自分で調べた情報だけに頼ってサプリメントの使用の判断を下しました。

アダムが選んだサプリメントは、製品ラベルによると、禁止物質は一切含まれていないものでした。また同製品には、「薬物検査を受けるプレーヤーに適切」とうたわれていました。製造会社が提供している情報は正確かつ信頼できると考え、アダムは、トレーニング期間中にそのサプリメントを摂取するようになりました。

その後、アダムは、19-ノルアンドロステロン(禁止タンパク質同化薬)の陽性反応が出た際、自分が摂取したサプリメントが陽性反応の原因だろうという説明だけしか、理解することができませんでした。アダムに下された処分は、2年間の出場停止というものでした。

薬物

ドーピングコントロールは、ドーピングのないラグビーを推進し守るために欠かせない役割を果たします。World Rugbyは、ラグビーにおけるドーピングを、いかるものも許しません。プレーヤーは、自分の体内から見つかった禁止物質について、すべての責任を背負っています。ドーピング規定の違反かどうかを決めるとき、故意か過失かは関係ありません。このことは、「厳格責任」の原則で示されている通りです。


禁止リスト

禁止リストは、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)によって毎年更新されており、競技内外で、どの物質、どの方法が禁止されているか明示しています。最新の禁止リストは、World Rugbyのドーピング防止に関するウェブサイトから、ダウンロード可能です:

worldrugby.org/keeprugbyclean



医薬品と栄養サプリメント


治療のために処方された、あるいは、そうではない薬の投与や服用を行っているプレーヤー、または、栄養サプリメントを摂取しているプレーヤーは、それらに禁止物質が含まれていないことを確認しておく必要があります。特定の物質の成分を調べるには、Global Drug Reference Online (www.globaldro.com)が参考になりますが、カナダ、英国、または、アメリカで購入された製品に限ります。疑わしい場合、または、他の国の製品の場合は、その国のドーピング防止機関に問い合わせましょう。

医師や薬剤師から薬の処方を受ける際は、必ず、自分は薬物検査を受ける可能性があることを伝えてください。

治療のために処方された、あるいは、そうではない薬の投与や服用を行っているプレーヤー、または、栄養サプリメントを摂取しているプレーヤーは、それらに禁止物質が含まれていないことを確認しておく必要があります。特定の物質の成分を調べるには、Global Drug Reference Online (www.globaldro.com)が参考になりますが、カナダ、英国、または、アメリカで購入された製品に限ります。疑わしい場合、または、他の国の製品の場合は、その国のドーピング防止機関に問い合わせましょう。



治療目的使用に係る除外措置(TUE)


TUEは、プレーヤーが、ラグビーのプレーを続けながら、正当な病状または病気の治療を目的として禁止物質または禁止方法を使用することを認めるものです。TUEの詳細については、以下を参照してください:

worldrugby.org/keeprugbyclean

薬物検査の手順

これまで検査対象に選ばれたことがあれば、検査手順や、プレーヤーに与えられた権利や責任は、わかるでしょう。


ドーピングコントロールの手順がわかるビデオ:

worldrugby.org/keeprugbyclean



“ソーシャル”ドラッグ - 大麻、コカイン、エクスタシー、覚醒剤

大麻、コカイン、エクスタシー、覚醒剤は、社会環境に存在している薬物です。しかし、これらはすべて禁止物質であり、これらのいずれかの物質により陽性反応の出たプレーヤーは、あらゆるスポーツにおいて最低でも2年間の出場停止処分の制裁を課されます。

これらの禁止物質の残留物は、体に入って何日か経ってから検出される場合があり、大麻の場合は数週間のこともあります。

これらの禁止物質の詳細については:

worldrugby.org/keeprugbyclean